「映画レビュー」カテゴリーアーカイブ

ジオストーム|異常気象による大混乱の迫力は面白い!

人類が天候を操る衛星を開発した…!
それが突然の暴走で人類滅亡の危機!?

すごいB級映画くさい感じがたまらなく観たい気持ちを掻き立てたので行ってきました。
せっかく観るならと、IMAX3D版を鑑賞。

…なかなか迫力がある映画でした。
ということで、今回はジオストームのレビューです。


映画『ジオストーム』本予告(ワーナーブラザーズ公式チャンネルより)

「ジオストーム」ってどんな話?

天候を意のままにできる宇宙ステーションが開発された近未来、地球は未曾有の自然災害に襲われることがなくなる。ところが運用開始から2年後、宇宙ステーションがウイルス感染して暴走し各地で異常気象を引き起こしてしまう。巨大災害が同時多発的に起きる地球壊滅災害“ジオストーム”の発生を防ぐため、宇宙ステーションの開発者ジェイク(ジェラルド・バトラー)と彼の弟マックス(ジム・スタージェス)が立ち上がる。
シネマトゥデイより

簡単に言うと、気象コントロール衛星が暴走を始めたため、世界各国で起こる異常気象を食い止めるために、科学者ジェイクが弟のマックスとともに立ち向かうというストーリー。

気象衛星が暴走を始めた原因は、ウイルス感染。
その詳細を探るうちに、色々な事件が発生してしまうというミステリー要素もある映画です。

ディザスター(大災害)がテーマの映画となりますので、その衝撃度を感じるためにも、映画館で観るにはもってこいの映画となっています。

【ココが良い】ディザスターシーン、ミステリー要素、カーチェイス

やはり、この映画の一番の見どころはディザスター(大災害)シーンだと思います。

地底のマグマ活動によって地表が高温になり、地割れで香港の街が崩壊するシーン。
リオデジャネイロが大寒波に襲われ、ビーチが一瞬で氷漬けになるシーン。
砂漠のドバイが津波に襲われ、街が流されるシーン。
東京も巨大な雹に襲われる…

街が崩壊し、大混乱に陥るシーンは結構見応えがありました。
個人的に好きなのは、香港のシーンですね。
地割れで車が飲み込まれるところとか、高層ビルがなぎ倒されるところとかは面白かったですね。

この映画が一番魅せたい部分なんだな、というのを感じました。

あと、気象衛星が制御不能になった原因を突き止めていくんですが、その過程の中で色々な事件が起きてしまうというミステリー要素も面白かったですね。

もう一つ、何気にカーチェイスシーンが面白かった…!

さっきの香港のディザスターシーンも一種のカーチェイス的な感じだったんですけど、チェンという登場人物が地割れに飲み込まれそうになって車で逃げるシーンはちょっとハラハラドキドキでした。

クライマックスでのカーチェイスも見ものです。
気象衛星が暴走して稲妻が落ちる中、逃げるシーンはすごく面白かったですね。

【ココはちょっと…】人間ドラマ

期待通りのB級映画だったんですけど、これはちょっと如何なものかと思いました。そう、人間ドラマです。

端的に言うと、安くさいドラマでした。

ディザスターシーンが見どころというのはおそらくそうだと思うんですが、何気に人間ドラマが中途半端に幅を利かせているのが気になってしまいました。

例えば…
ジェイクとマックスの兄弟が過去のことで犬猿の仲になっているらしいけど、嫌々言っていながら結局は協力して緊急事態に立ち向かうってのがトントン拍子すぎるし…
それでいて、後半のシーンで「もっと早く和解していればよかった」みたいなセリフも出てきて、よく分からなかったですね…

あと、ジェイクの娘さん?が、明らかにマックスのほうに懐いてるのに、ジェイクが宇宙ステーションに行くみたいな話になったら、泣きながら「帰ってきて…」みたいなところとか、全然感動できなくて、何か人間ドラマがちぐはぐなんだよなぁ…

マックスの方も、何気に色んな人脈があるんだけど、「ちょっとこれ頼めないかなぁ」みたいなお願いしたらあっさりOKしてくれたり…
上映時間109分の間に解決しないといけないのは分かるけど、それにしてもあっさり話が進みすぎじゃないかなぁ…と思ってしまった。

他にも気になった部分がたくさんあるんだけど、この人間ドラマの芯がもう少ししっかりしてたら、ディザスターシーンも見応えあり、感動ありみたいな感じで面白かったのにな…

シークレットサービスがカッコイイ…

異常気象による大災害を描く本作。
にもかかわらず…

個人的には、マックスの恋人であり、シークレットサービスのサラ・ウィルソン(アビー・コーニッシュ)がめっちゃカッコ良いと思いました!
日本語吹き替え版では、ブルゾンちえみが声優を務めています。

自分はやっぱりキャリアウーマン系が好きなのかな…(笑)
ブルゾンちえみも大好きだし…

映画の中でも、クライマックスでのカーチェイスシーンで車を運転していたんですけど、ハンドルさばきがすごいカッコイイ…機転を利かせた行動とかも。

とにかく登場人物の中では意外と目立ってたし、クライマックスシーンは彼女のためにあるようなものですね。
前述の人間ドラマで、うーんどうかなと思っていたところですが、彼女の姿は本当にカッコよかった。


というわけで、ジオストームの評価は…

音楽★★★☆☆
物語★★★★☆
脚本★★★☆☆
演出★★★★☆
感情★★★☆☆

総合評価3.4

公式HP:ジオストーム

トップ画像:©Warner Bros.

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ新宿
スクリーン10(シネスコサイズ/IMAX)
上映回:2018年1月19日(金)21時15分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)グレイテスト・ショーマン

(2)アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

(3)ブラックパンサー 

客層

20代 3割
30代 3割
40代以上 4割
男女比 6:4




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伊藤くん A to E|岡田将生さん演じる伊藤に振り回される女たちの物語

2018年、明けましておめでとうございます。(遅)
年も明けて、今年の映画始め、1本目の映画は「伊藤くんA to E」でした。

クズ男の伊藤に翻弄される女性たち、
そして主題歌のandrop「Joker」という曲が印象的な予告に魅かれて観に行ってきました。

新年早々、痛い映画からのスタート。
痛い1年にならないように祈りながら、今年も映画たくさん観よ…
ということで、伊藤くん A to Eのレビューです。


映画『伊藤くん A to E』 予告篇(showgatetrailerより)

「伊藤くん A to E」ってどんな話?

アラサーの元売れっ子脚本家・矢崎莉桜(木村文乃)は、自分の講演会に参加した4人の女性から受ける恋愛相談をネタにしようとする。取材を進めるうちに、彼女たちを振り回す男「伊藤」が同一人物で、しかも莉桜が講師を務めるシナリオスクールの生徒の一人・伊藤誠二郎(岡田将生)であることに気付くが……。
シネマトゥデイより

この映画には、色んな女性たちが出てきます。
A:ぞんざいに扱われる女
B:自分の殻に閉じこもる女
C:愛されたい女
D:ヘビー級処女
E:
それぞれの登場人物たちの群像劇のような構成になっています。
彼女たちに共通することは、伊藤という男の存在。
その伊藤がいわゆるクズ男で、彼女たちを振り回すというお話。

実は、伊藤くん A to Eのドラマも放送していたそうで…
そんなこととはTSU☆YU☆SHI☆RA☆ZU
いきなり映画から観に行ってしまった…
でも、初見でもストーリーとか理解できたし、映画を最初に観たとしても特に問題ない作りになっていました。

ちなみにドラマ版では、脚本家・矢崎莉桜がイメージしていることの視点で描かれているようです。
今回の映画では、A~Dの女たちの視点だったり、ドラマ版とは異なった視点となっていますので、ドラマを観た人は、視点の角度を楽しみながら観れると思います。

【ココが良い】キャスト、演技、主題歌

この映画は、岡田将生さんと木村文乃さんのW主演です。

伊藤くんを演じる岡田さんは、不敵な笑みや、人を見下すような目がなんとも恐ろしく、正に「痛い男」を演じ切っていました。
また、矢崎を演じる木村さんは、すごくプライドが高く、外面はいいけど毒を持っている女を熱演していました。

個人的には木村さんの演技が特に気に入っていて、伊藤に翻弄されて怒り苦しむ姿がすごい熱かった…!
美人さんだからちょっと見とれていたのもあるけど(笑)
最初は、伊藤と話していても平然とした態度だった矢崎が、徐々に動揺していく姿をよく演じていたと思いました。

また、他のキャストも、それぞれの役柄をしっかり理解して演じているのがすごい伝わってきました。

そもそもこの映画の登場人物は、みんなダメな人たちです。
ダメな方向性がはっきりしているので、一見現実的ではないと思いそうですが、たぶんどこかしら共感できるところがあるキャラばかりだと思います。

ちなみに私は、Bの女(自分の殻に閉じこもる)に少し似ている部分があり、ダメだなぁ…と思ってしまった次第。
ある意味、自分自身をも見直すきっかけにもなるのでは…

あとは、主題歌が映画にすごく合ってて良い!
エンドロールをノリノリで観てしまった…!
原作やドラマ等をしっかり読み込んだ上でじっくりと作られたそうなので、さすがというか、もうイメージぴったりの曲をありがとう!という感じでした。


androp「Joker」special movie (映画「伊藤くん A to E」ver.)
(UNIVERSAL MUSIC JAPANより)

【ココはちょっと…】劇伴の使い方、テンポ感

主題歌も良かったし、劇伴の楽曲自体は好きなんですけど、劇伴の使い方がちょっと良くないと思いました。

具体的に言うと、同じような楽曲を使い回していたので、音楽による物語の盛り上がりが無かったのが少し残念でした。
群像劇だし、そういう意味で同じものを使うのもアリだとは思いますが、個人的に、音楽は映画を盛り上げる重要な要素だと考えているので、もっと色んな音を鳴らして欲しかったなぁ…

あとは、映画全体の物語のテンポ感。
もうちょっとサクッと進めてもいいんじゃないかって思うシーンがいくつかありました。
何というか、「間」っていうんですかね。

伊藤に振り回されて女性たちが苦しんでるシーンとか、みじめなシーンの悲哀感を出しているのかもしれませんが、個人的にはもう少しテンポよく進めば良いのにと思いました。

プロットはすごく好きなタイプの話なので、個人的にはちょっと惜しい映画でしたね。

伊藤という男が映し出すもの

この映画の重要な人物である伊藤。
色んな女性を振り回すクズ男。

登場する女性たちは、考えが凝り固まっていたり、何かに捕らわれていたり、盲目になっていたり…
ある意味自分自身を見失っている人ばかり。
でも、振り回された女性たちは、みんな伊藤のおかげで一皮剥けていくんですよね。
そこがこの映画の面白いところなのだと思います。

「僕はリングになって、戦わない。戦わなきゃ負けない。」
伊藤が言ったセリフです。(確かこんなセリフだったような…)
伊藤は、自分が傷つきたくないから一生懸命になることを放棄し、目の前のことから逃げる男。
つまり、伊藤は人間の弱さなのだと解釈しました。

この映画を観終わってフッと思い浮かんだのが、中島みゆきさんの「ファイト!」という曲。

闘う君の唄を 闘わない奴らが笑うだろう

伊藤くんはまさに、闘わない奴らです。
でも逆に、そういった人をきっかけにして、「絶対見返してやる!」みたいなプラスのエネルギーが生まれるので、必ずしもその存在を否定することはできないと思います。
まぁ、クズなんですけどね(笑)

ただ、そのクズ男・伊藤も、振り回したはずの女性たちがどんどん自分から卒業していくのを見て、虚しさを感じていると思われる描写もありました。ラストシーンでは…

伊藤も、自分でリングに上がって戦う日が来ると良いですね。
そんなことを考えながら、この映画を反面教師にして、観ていた自分自身も色んなことから逃げずに頑張ろうと思いました。


というわけで、伊藤くん A to Eの評価は…

音楽★★★☆☆
物語★★★★☆
脚本★★★★☆
演出★★★☆☆
感情★★★☆☆

総合評価3.4

公式HP:伊藤くんA to E

トップ画像:(C)「伊藤くん A to E」製作委員会

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ上野
スクリーン6(ビスタサイズ)
上映回:2018年1月13日(土)10時05分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)いぬやしき

(2)名探偵コナン ゼロの執行人

(3)ちはやふる -結び-

(4)坂道のアポロン

(5)となりの怪物くん

(6)リバーズ・エッジ

(7)今夜、ロマンス劇場で

(8)羊の木

(9)不能犯

(10)CINEMA FIGHTERS

(11)パディントン2

客層

20代 2割
30代 4割
40代 3割
50代 1割
男女比 8:2




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女神の見えざる手|敵も味方も観客も欺くミス・スローン。2017年一番興奮した洋画。

戦略のプロ「ロビィスト」をテーマにした映画。
10月公開にもかかわらず、すっかり見落としていて今更観てきました…でも絶賛ヒット中らしく、まだ公開終了してなくて良かった!

そのヒットも頷けるほど面白い映画でした。
個人的には、2017年一番興奮した洋画です。今回はそんな「女神の見えざる手」のプレビューです。


映画『女神の見えざる手』 予告篇(キノフィルムズより)

主人公ミス・スローンとは

この映画の邦題は「女神の見えざる手」ですが、原題は「MISS SLOANE」。主人公の名前です。

相変わらず、邦題のセンスのなさが光ります…
というのは置いといて、この映画のタイトルはMISS SLOANEが良かった…と思ってしまうほど、主人公が濃くて強い。

そもそもこの映画は、政府の政策に影響を及ぼすことを目的に、戦略的に活動するプロ集団:ロビィストをテーマとしています。
ミス・スローンはトップロビィストで、アメリカの銃社会の規制派としてロビー活動をするのですが…

彼女の決断力、発想力、行動力、信念  etc…
どれをとってもすごい。さすがプロと思わせる身のこなしで、映画なんだけど、ミス・スローンの凄さがひしひしと伝わってきました。

そして、ロビー活動で「勝つこと」しか考えていないので、超ぶっ飛んでる…
一般的なモラルや常識は通用しないし、法律ギリギリの危ないこともするし(むしろ違法)、周りの人たちはみんなコマみたいな感じに扱うし…絶対に一緒に仕事したくはない(笑)

でもそれほど強烈なキャラクターなので、今まであまり映画で観たことがないほど圧倒的で引き込まれました。

脚本がすごい興味深く面白い

女神の見えざる手は、もともと弁護士だったジョナサン・ペレラ氏が書いた脚本。しかも初めて書いた脚本が映画化されたそう…まずそこに驚き。

日本ではあまり馴染みがないロビー活動をテーマとした内容になっていますが、それほど知識がなくともすごく面白いし、分かりやすい脚本になっていました。

アメリカの銃社会という社会的なテーマも織り交ぜ、政治の舞台裏をスピーディに描いているが故、息もつかせぬ展開の移り変わりに、130分ほどの映画ながらあっという間でした。

当然アクション映画のような迫力はないですが、相手の先手を読む頭脳戦なので、それを巧みに魅せる脚本や構成がホントに面白かったです。
そしてセリフがめっちゃ多い!!
こんなにセリフが多い洋画観たことない…(笑)
そのため、字幕の文字の移り変わりがめっちゃ激しい!

役者の演技も観つつ、文字も追いつつで大変ですが、逆転につぐ逆転の末に導かれるラストはぜひ劇場で観て欲しいですね。

敵も味方も観客も欺く展開に胸が熱くなる

聴聞会に召喚され、過去の仕事における不正についての真偽を問われるミス・スローン。
そんなシーンから始まるこの映画ですが、まさかこのオープニングが壮大なフラグになっていたとは…

劇中では、敵も味方も関係なく欺き、利用し、勝つことしか頭にないくらいの強烈なキャラクターであるミス・スローンですが、観てるこっちも欺かれました。

それくらい、目まぐるしく変わる展開に胸が熱くなったし、ホントによく作られたストーリーだなと思いました。
これは面白かった!

ジョン・マッデン監督のインタビューによると、「シーンの流れを時系列にせず、リズムを重視する方法が模索された」らしく、どうりで主人公の感情というか、勢いが映画に現れていたなと感じました。

これはきっと2回目が面白いに違いない。。


政治的な要素がある映画ってたくさんあるんですけど、どれも魅せ方が退屈で面白くないと思っていました。

でもこの映画は、政治、ドラマ、サスペンスなどが色々織り交ぜて合って、脚本とスピード感がたまらなく面白くて、2017年で一番興奮した洋画でした。
あんまりブログにこういうことは書かないですが、この映画はおススメです。

公式HP:女神の見えざる手

トップ画像:(C)2016 EUROPACORP – FRANCE 2 CINEMA

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズみゆき座
(シネスコサイズ)
上映回:2017年12月5日(火)15時25分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)スター・ウォーズ 最後のジェダイ

(2)空海―KU-KAI―

(3)パディントン2

(4)ジャコメッティ 最後の肖像

(5)カンフー・ヨガ

(6)ユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~

客層

30代 1割
40代 2割
50代 7割
男女比 8:2

備考

たまたま機会があって平日に来てみたら、さすがに年齢層高かった…平日&みゆき座という場所柄、平均年齢50以上でした。




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泥棒役者|予告通りの喜劇!久しぶりに面白い映画を観た。

泥棒という物騒な言葉とは裏腹にコミカルな予告。
単純に面白そうだったし、どんな結末になるのか気になったので観てきました。

個人的にはなかなかツボにはまった面白い映画でした!
今回はそんな泥棒役者のプレビューです。

(体調不良のため、ブログ書くのが遅くなってしまった…)


泥棒役者 本予告(showgatetrailerより)

ユニークな登場人物たち。相関図を作ると面白そう。

この映画は、簡単に言うと「盗みに入った泥棒が、色んな人から人違いをされてしまう」というお話です。
泥棒だとばれないように、色んな人を演じる羽目になってしまうというドタバタ劇。

この映画に限らず、何とか場を持たせなければ!!と思って嘘をついてしまったり、周りに合わせてしまうことってありますよね。まさにそんな状況を体現したような映画です。

その中に登場するキャラがみんな濃くて面白い!

主人公は、元泥棒:大貫はじめ。
人が良すぎるモジャモジャ頭。

泥棒に入られる家の主:前園俊太郎。
絵本作家という仕事をしているのですが、かなりテンションが高いヤバいおじさんです。

前園の企画書を取りに来た編集者:奥江里子。
帰国子女なので、時折流暢な英語が飛び出してきます。

怪しい商品を売りに来たセールスマン:轟良介。
全く場の空気が読めない営業マン。
独自の解釈で場を混乱させます。

メインはこの4人でお話が進んでいきます。
他にも、はじめを連れ出した泥棒、はじめの恋人、前園邸の隣に住むクレーマー、編集長が登場します。

はじめの嘘によって、それぞれが色んな人違いを繰り広げるので、相関図にしてみると楽しそうな気がしました。
また、嘘をつく人、嘘に気づかず勘違いする人、嘘を見破る人、嘘をばらす人、という具合に、物語の中でもそれぞれのキャラにバランスよく役割があるのも◎でした。

映画というより劇を観てるみたいな感覚

プロモーションでも喜劇と謳っているだけあって、すごくお芝居を観てるような感覚でした。
特にそれを感じたのは光。

このお話は、主に絵本作家の家で繰り広げられるわけですが、その家のリビングや書斎などの窓から入ってくる光の量がすごい(笑)
まるでスポットライトを浴びているくらいの光量。

それにプラスして、光がふんわりと暖かみがあるため、画的にもコミカルな雰囲気を醸し出していました。

また、ドタバタ劇のシーンでは一部ワンカットで撮っている箇所も見受けられ、映画タイトルではないですが、本当にお芝居を観せられた気がしました。

みんな訳あり。個人的に構成がすごく良かった。

この映画は、主人公の元泥棒:はじめの前日譚から始まります。恋人とのデートの約束をした次の日、先輩の泥棒:畠山に見つかってしまったことで、事態が思わぬ方向に行きます。

そんな導入があって、泥棒役者を演じることとなるのですが、他の登場人物たちにも、実は前日譚があります。
つまりは、みんな訳あり。
訳ありな人たちが、一堂に集まって繰り広げられるドタバタ劇は、本当にコミカルで、時には涙もあって…とても楽しいお芝居を観させてもらいました。

そして、実は前日譚が無い人も…
おそらく想像に難くないからこそ描かなかったのでしょうが、その代わり、その人には後日譚があります。
エンドロールの途中に後日譚が挟んでありますので、最後の歌が始まったからと言って席を立ってはいけませんよ!

そんなバランスもしっかりとれたお話だったので、個人的には◎でした。


最近、ジャニーズが役者として活躍されることが多いですが、この映画は結構良いお芝居をされていたと思います。
共演者も豪華でなかなか見応えのある楽しい映画でした。

公式HP:泥棒役者

トップ画像:(c)2017「泥棒役者」製作委員会

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ新宿
スクリーン12(シネスコサイズ)
上映回:2017年11月25日(土)8時40分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)空海―KU-KAI―

(2)嘘を愛する女

(3)祈りの幕が下りる時

(4)未成年だけどコドモじゃない

(5)DESTINY 鎌倉ものがたり

(6)羊の木

(7)伊藤くんAtoE

(8)嘘八百

(9)鋼の錬金術師

(10)探偵はBARにいる3

客層

20~30代 2割
40~50代以上 8割
男女比 7:3

備考

関ジャニ∞のメンバーが主演だったが、意外にも女性は少なかった。また、観客の平均年齢が高かった。

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IT “それ”が見えたら、終わり。|面白かったけど期待値を上げすぎてしまった映画

苦手だけどついつい観ちゃう…それがホラー映画。
今回紹介する「IT」も、予告で観てすごい怖そうだけど、同時に面白そう!と思った映画です。

ポスタービジュアルとかが良くて、赤い風船、黄色いコートを着た子供、風船に薄っすら映ったピエロに、赤文字で「IT」。
予告動画のサムネでも分かるように、かなりよくできたビジュアルにも魅かれて、公開をすごく楽しみにしていました。
今回はそんな「IT」のプレビューです。


映画「IT “それ”が見えたら、終わり」予告編(ワーナーブラザーズ公式チャンネルより) 

演出はとってもいい!怖いシーンは結構好き

この映画のオープニングはすごく好きなシーンですね。
雨が降り続いているシーンから始まり、その裏でピアノの劇伴が流れているのですが、カメラワークの中に映る、主人公ビルのお母さん?的な人がピアノで弾いてるという演出がすごく気に入りました。

また、予告編でもあるように、排水溝を覗き込むとピエロがスッと出てくるシーンだったり、他の子供たちがピエロと出会うシーンなんかは、演出も相まってなかなか怖い感じになってました。
ピエロは色んなものに姿を変えれるため、それぞれの子供が怖いと思うものに姿を変えて襲ってきます。
そのため、色んな怖いシーンがあってとても楽しめました

期待値を上げすぎてしまい、逆に不発だった

ホラー部分については、前述した通り演出などがすごく良いなと思ったのですが…
完全に個人的な問題ではありますが、この「IT」に関しては、鑑賞前からかなり期待値を上げてしまったんですよね…

そのため、他レビューなどでは絶賛の意見が多い中、確かに面白いとは思うんですけど、個人的にはちょっと微妙な感じで終わってしまいました。期待値を超えられなかった理由としては、映画の中で感じた違和感があったためだと思います。

この映画はホラー映画というカテゴリに分類されますが、子供たちの友情や冒険的な側面も見受けられます。
そのため、怖いの半分、青春半分みたいな感じで、若干の中途半端さに違和感を感じました。

予告ではホラー全開な感じで、すごい怖そう!!っていうのが第一印象だったのですが、笑えるところや和むシーンもあったため、全体的な怖さはそこまででもなかったですね。
怖いと感じた方には大変申し訳ないですが、B級ホラーやサスペンス映画のほうがよっぽど怖いです。

また、昔の事件やら、”それ”が現れる場所やら、何となく怪しい謎がちょこちょこ出てくるんですけど、結局顛末が明確に語られるわけでもなくモヤモヤすることもありました。

どちらかというと、”それ”と子供たちが対決する場面だったり、ホラーより友情とか青春の方がメインになってくるのかなぁ…。

ホラー映画なんですが、そういったホラー以外の要素もあるためちょっとごちゃごちゃしてる印象があり、個人的には不発でした。映画評論家の視点から見ると、ジャンルがまたがっていてそれが上手く融合しているのが良いらしいんですけどね…

一応、最後、映画タイトルが出た際に、chapter1となっていたため続編があるようです。今回観て感じたモヤモヤも解消できればいいなぁ…


…ちょっとプレビューの内容が薄くなってしまいました。
期待値を上げすぎるのは良くないですよね。
今後そういった映画があった時には、なるべくまっさらな気持ちで鑑賞するように心がけたいと思いました。

公式HP:IT “それ”が見えたら、終わり。

トップ画像引用:2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC.

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ日本橋
スクリーン1(シネスコサイズ)
上映回:2017年11月11日(土)18時30分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)嘘を愛する女

(2)祈りの幕が下りる時

(3)DESTINY 鎌倉ものがたり

(4)火花

(5)GODZILLA 怪獣惑星

(6)フラットライナーズ

(7)スターウォーズ 最後のジェダイ

(8)オリエント急行殺人事件

(9)ジャスティス・リーグ

客層

20代 2割
30代 5割
40~50代以上 2割
男女比 5:5

備考

上映開始後の入場者1名

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