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シェイプ・オブ・ウォーター|水のようにスッと胸にしみる不思議で奇妙なロマンス【アカデミー賞作品賞受賞】

予告やポスターを見て、なんか不思議な感覚になったこの映画。
過度な期待はせずに観にいったんですが、いやー、すごかった。

見終わって、これはアカデミー賞いける!ってマジで思いました。
そしたらホントに受賞しちゃった…
作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞の4冠に輝きました!おめでとう!

今回はそんな「シェイプ・オブ・ウォーター」のレビューです。


『シェイプ・オブ・ウォーター』日本版予告編(フォックス・サーチライト・ピクチャーズより)

「シェイプ・オブ・ウォーター」ってどんな話?

1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に秘密の実験を目撃する。アマゾンで崇められていたという、人間ではない“彼”の特異な姿に心惹(ひ)かれた彼女は、こっそり“彼”に会いにいくようになる。ところが“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっており……。
シネマトゥデイより

スリー・ビルボードと同じフォックス・サーチライト・ピクチャーズの作品で、本年度アカデミー賞に13部門でノミネートされている作品です。
本日発表の第90回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞を受賞しました。

声を出せないイライザが出会った不思議な生き物。
最初は好奇心だったのが、ありのままの自分を見てくれる”彼”のことをいつの間にか想っていることに気づく。

二人が互いに感じあうには、言葉は必要なかった。
サスペンス要素もある、不思議で奇妙な愛の物語です。

【ココが良い】演技、音楽、映像

正直な話、見終わった後の余韻が凄すぎて、「良かった…(語彙力)」っていう感想しかなかったんです。
少しずつ思い出しながら良かった点を考えてみると、おそらく演技、音楽、映像になってくると思います。

まず演技は、主演のサリー・ホーキンスさんの全身を使った感情表現がほんっとに良かった。
声を出せない役なので、セリフは基本的に無くて手話で会話するんですけど、声を出さない演技でこれだけ感情を訴えることができるということに感動してしまいました。2015年に公開された「心が叫びたがってるんだ。」っていうアニメ映画も、主人公が声を出せない中での演技がすごいなーと思いましたが、それと同じ感動でしたね。

特に、はじめは好奇心だったのが、お互いのありのままの姿を言葉を介さずに感じあい、感情をぶつけ合っていくという、微妙で繊細な感情の変化が圧倒的だったね。
彼女は境遇的にはあまり良い人生ではないだろうし、”彼”もグロテスクなビジュアルなんだけど、外見じゃなくて、お互い心で惹かれあってるんだよな…
観ていて”2人”の幸せをただただ祈ってしまった。

また、この映画の中の音楽も印象的だったなぁ。
一部、ミュージカルっぽい演出もあったせいかと思うけど、”2人”の関係や彼女の感情をより深く表現するのを見事に手伝っていましたね。
というか、シーンのつなぎ目の音楽の使い方がすごい上手くて、観ているこっちの気持ちを途切れさせないんですよ。自分の好きな映画のポイントを突っついてくるなぁ…と思いました。

あとは映像ですね。
水のシーンは特にお気に入りです。
水の中で、彼女と”彼”が抱き合うシーンとか。
ただただ美しかったなぁ…圧倒的美しさ。
涙流れたし…

まさに映画のポスターのシーンですよ。
美しい画だし、そして最大のネタバレだと思う。。

映像関連でもう一つ。
この映画に猫が登場するんですけど、猫に萌えた…
イライザとジャイルズがやりとりしてるシーンの端のほうで、猫が自由に動き回ってるの。
意図を感じさせない自然な映像にほっこりしましたね。

【ココはちょっと…】観る人によって好き嫌いがハッキリしそう

前述の通り、自分はめっちゃどストライクな映画でした。
ただ、色んなレビューを見ても概ね高評価が多いのですが、観る人によって評価が極端に分かれてしまうだろうという内容でしたね。

不思議な生き物のビジュアルが受け付けない人もいるでしょうし、その生き物と人間というカップリングが厳しい人もいるでしょうし…
あと、裸や自慰、ベッドシーンなんかもありますし。(ベッドシーンに一瞬モザイクがかかります)
一応この作品はR-15指定ということで、暴力的なシーンもあります。

個人的にはベッドシーンだけは要らなかったなと思いましたが、それでもかなり胸に来るものがありましたね。

The Shape of Water

タイトルが素敵ですよね。
日本語に直訳すると、水の形。

この映画の中で、雨の日、イライザが乗ったバスの窓に付いている水滴のシーンがあります。
水滴が風に吹かれて流れていった先で、もう一つの水滴とくっついて一つになるっていうシーン。
すごい素敵だなーって思ったのと同時に、”2人”の結末を予感させる重要な部分かなぁと思っています。

あと、この映画に登場する人たちってほとんどがマイノリティなんですよね。
イライザも声を出せないので偏見を持たれてしまうキャラクターだし、
親友のゼルダは黒人女性、ジャイルズはゲイ。
肝心の”彼”は、ビジュアルもグロテスクな不思議な生き物。

マイノリティも含め、世界には色んな人がいるということをThe Shape of Waterに例え、その中のイライザと”彼”が一つになる物語だったんですかね…

というわけで、シェイプ・オブ・ウォーターの評価は…

音楽★★★★★
物語★★★★★
脚本★★★★★
演出★★★★★
感情★★★★★

総合評価5.0

公式HP:シェイプ・オブ・ウォーター

トップ画像:©Twentieth Century Fox Film Corporation.

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ錦糸町
スクリーン4(ビスタサイズ)
上映回:2018年3月3日(土)20時50分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)ラプラスの魔女

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生~RP動画

(2)ミッション:インポッシブル フォールアウト

(3)ジュラシック・ワールド 炎の王国

(4)ハン・ソロ/スターウォーズ・ストーリー

(5)レディ・バード

(6)アベンジャーズ インフィニティ・ウォー

(7)ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

(8)犬ヶ島



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グレイテスト・ショーマン|自分らしく生きることを後押ししてくれるミュージカル

LA・LA・LANDの製作チームが贈る感動のミュージカルエンターテイメントということで、かなり期待しながら観に行きました。
元々ミュージカル映画ってそんなに好きではなかったんですけど、LA・LA・LANDが良かったので公開が楽しみでした。(なのに公開初週には行けず…)

ということで、観てきたらすごい良かった…楽曲が特に好き。
今回はそんな「グレイテスト・ショーマン」のレビューです。


映画『グレイテスト・ショーマン』予告D (20thFOXjpより)

「グレイテスト・ショーマン」ってどんな話?

P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は妻(ミシェル・ウィリアムズ)と娘たちを幸せにすることを願い、これまでにないゴージャスなショーを作ろうと考える。イギリスから奇跡の声を持つオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)を連れてアメリカに戻った彼は、各地でショーを開催し、大成功を収めるが……。
シネマトゥデイより

P.T.バーナムさんは、19世紀半ばのアメリカでショービジネスの原点を築いた興行師とのことで、実在した方なんですね。
そんな前情報を全く知らないまま観に行ってしまいました。

ですが、差別や偏見で居場所をなくした人たちがスターになれる場所を作り、自身も興行師として成功を収めた素晴らしい方なんだなということをこの映画で知ることが出来ました。

この映画は、そんな彼のサクセスストーリーをミュージカルとして描いた作品となっています。

【ココが良い】音楽、ミュージカル

LA・LA・LANDの製作チームだけあって、楽曲はめちゃ良かったですね。
LA・LA・LANDの時もそうでしたが、映画を観終わった後に迷わずCD買っちゃいましたね。
それくらい素敵な楽曲ばかりでした。

特に、ヒュー・ジャックマンとザック・エフロンがバーで歌ってるシーンのThe Other Sideっていう曲が個人的にはツボですね。楽曲も良かったですし、そのシーン自体もすごく良かったです。
グレイテスト・ショーマンでは、グラスを置く音とか、金槌で叩く音とか、楽器以外の音を使って映像とリンクさせた演出が楽しくて胸熱でした。

あと、上映時間104分に対して楽曲が9曲。
リプライズも含めると、実際にはもう少し歌があるので、映画の中の音楽の比率が高い!
今思い出してみても、ずっと音楽が流れているような印象さえあるくらい、歌がたくさんありました。
そのため、音楽好きの自分にとってはかなり楽しい映画でした。

また、LA・LA・LANDはオープニングのワンカットでのミュージカルシーンがとても圧倒されましたが、グレイテスト・ショーマンは、ワンカットはないものの、歌・セリフ・ダンスをうまく組み合わせた所謂ミュージカルっぽい演出がとても素敵でした。

これは期待通りの作品でした。

【ココはちょっと…】ストーリー

すごく楽しめた映画だったので、ここはちょっとなぁ…というところは正直ないのですが、強いて挙げるとすれば、ストーリーですね。

物語の展開としてはあまり深くないと思いました。
ちょっとした苦難もありますが、割とサクサクと物語が進んでいくので、都合が良いように見えた部分もあります。

ただ、この映画の軸としてはミュージカルと多様性だと思いますし、前述したとおり、音楽やミュージカルが良かったので、それほど気になりませんでしたね。

自分らしく生きることは大事!

映画の中では、差別や偏見で居場所を失っていた人たちが、ショーの中で居場所を見つけて輝いていく姿が映し出されていました。
ショーの中のエンターテイナーだけではなく、バーナムも、興行が成功したにも関わらず、上流階級の人たちには低俗なものと言って認められなかったり、フィリップも空中ブランコ乗りのアンに恋をしてしまうが、身分の違いに苦悩するなど、そういった世の中の空気感も描かれていました。

でも、「自分らしく生きる」ということは大事だというメッセージがこの作品には込められていると思います。
話題にもなっている「This is me」という曲にもそれが表れています。

周りの色々な言葉に振り回されるのではなく、
自分に誇りをもって、自分のリズムで行進するの、もう怖くない。

そんなニュアンスの歌詞が、自分らしさや自分の居場所を見失っている人を後押しする応援ソングになっていると感じました。
とても良い楽曲です。


ちょっと話は変わりますが、上映前の企業広告が印象的でした。


企業「ForONEs 2017」篇60秒 (docomoOfficialより)

docomoのForONEs~世界は、ひとりの複数形でできている~
このコピー好きだなぁ…
映画館の企業広告はガツンと来るのが多くてすごい良いよね。

というわけで、グレイテスト・ショーマンの評価は…

音楽★★★★★
物語★★★★☆
脚本★★★★☆
演出★★★★★
感情★★★★★

総合評価4.6

公式HP:グレイテスト・ショーマン

トップ画像:©Twentieth Century Fox Film Corporation.

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ新宿
スクリーン10(シネスコサイズ/IMAX)
上映回:2018年2月24日(土)21時00分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)ブラックパンサー

客層

20代 3割
30代 4割
40代 2割
50代~1割
男女比 5:5




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スリー・ビルボード|アカデミー賞有力候補のクライム・サスペンス

アメリカの片田舎の大通りに突然現れた真っ赤な広告。
サスペンスを彩る要素としてそれだけで十分すぎて、これは観に行きたいなぁ…と思い立った本作。

なんでも、本年度アカデミー賞の最有力候補だそうで…

内容としては確かに納得の作品でした。
(この後に書きますが、個人的には観かたを失敗しましたが)
今回はそんな「スリー・ビルボード」のレビューです。


「スリー・ビルボード」日本版予告編(フォックス・サーチライト・ピクチャーズより)

「スリー・ビルボード」ってどんな話?

ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できない警察に苛立ち、警察を批判する3枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬する彼の部下や町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始め……。
シネマトゥデイより

娘を殺されたミルドレッドが、田舎道に寂れた看板があるのを見つけて、その広告社であるエビング広告社に発注するというところから物語が始まります。

その看板の最後の広告は、1986年のオムツの広告。
それ以来誰も発注する人がいなかったようで、かなりボロボロ。
しかし、ミルドレッドの広告が完成してからは、見違えたように看板が生まれ変わりましたが、周りに何もないところにポツンとある真っ赤な看板がとても異様な光景に見えます。

これをきっかけにミルドレッドは注目されることになりますが、みんなが信頼している警察署長に対する批判メッセージだったため、町の人たちは複雑。

そんな中、少しずつ事態が動き始めていく…というサスペンス要素満載の映画です。

【ココが良い】演技、音楽

この映画はミルドレッドが寂れた看板を見つけるところから映像が始まるんですが、そこで流れているオペラが、これから始まる物語やミルドレッドの感情を推し量っているような雰囲気を醸し出していて良かったんですよね。

全編通して、物語や人物の感情を表現している音楽がとても良かったです。カーター・バーウェルさんという方が音楽を担当しています。

また、一番良かったのは主人公のミルドレッドを演じるフランシス・マクドーマンドさんですね。

娘を殺されたという難しい役柄でしたが、その悲しみや、自分自身の後悔、犯人に対する憎しみ、警察に対する怒りなど、様々な感情を見事に演じていました。セリフのトーンもかなりリアリティがあって、結構食い入るように観ましたね。

言葉も違うので、海外映画の演技って正直分かり兼ねるんですけど、でもミルドレッドは「良い」って分かったね。
セリフだけじゃなくて、目とか表情とか仕草とか、色んなものをフルに使っていてこれは凄いと思いました。

【ココはちょっと…】「誰も辿り着いたことのない結末へと連れ去る衝撃と感動のクライム・サスペンス」

映画の宣伝文句として随所に記載がありますが、「誰も辿り着いたことのない結末」
これがミソですね。

正直、映画は全然悪くないんです。
アカデミー賞になっても大いに納得するよくできた映画だったんですけど、観る側次第で良くも悪くもなってしまうのかなと思います。

その観る側がダメだったパターンが自分なんですけど…

予告やあらすじをみて「こんな映画かなぁ」と勝手にイメージしてしまったんですね。
他の映画でもやるのでそこは大した問題じゃないんですけど、想像していた展開と違って、なおかつ、想像を超えた部分の上手い落としどころが自分で見つけられなかったんです。

そういう脚本や構成にしてるんであればいいんですが…

例えば、ミルドレッドの娘の事件には警察が関わってるのかと思ったら別にそうではなかったり…
犯人の手がかりを発見して真相に近づいたかと思えばそうではなかったり…
この映画では、謎を解き明かすことがゴールではないのね。

そこの部分をイメージしてしまったもんだから、ラストは「えっ、これで終わり?」と思ってしまいました…

完全にこれは自分自身の問題なんですけど、よくあるサスペンス映画を想像していくとちょっと違うと思います。

人間ドラマを中心に観ないといけませんでしたね…(失敗)

怒りはどこへ行くのか

スリービルボードが発端で、事態がどんどん変化していくこの物語。そもそも、この広告は警察に対する怒りを広告で表したものなので、怒りが周りに与える影響というか、怒りが周りを巻き込んでいく様をスクリーンで表現したのかなと解釈しました。

広告を出したことで協力してくれる人も現れたりしてましたが、怒ることで巻き込まれた人が傷ついたりしているのを観て、怒りは何も生み出さないなぁと思いました。(社会的に正しいという前提の場合)

全編を通して、怒りの演技が素晴らしかったフランシス・マクドーマンドさんはホント拍手です。

というわけで、スリー・ビルボードの評価は…

音楽★★★★☆
物語★★★★☆
脚本★★★★☆
演出★★★★☆
感情★★★★☆

総合評価4.0

公式HP:スリー・ビルボード

トップ画像:©Twentieth Century Fox Film Corporation.

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ日本橋
スクリーン8(シネスコサイズ/TCX)
上映回:2018年2月2日(金)12時50分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)羊と鋼の森

(2)のみとり侍

(3)ラプラスの魔女

(4)いぬやしき

(5)空海-KU-KAI

(6)ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

(7)ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書

(8)ダウンサイズ

(9)15時17分、パリ行き

(10)シェイプ・オブ・ウォーター

(11)The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ

(12)ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ

(13)グレイテスト・ショーマン

客層

30代 1割
40代 3割
50代 6割
男女比 7:3

平日の日中だったため、若い年代は皆無。
多くが高齢者。




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パディントン2|初見でも大丈夫!優しい英国紳士のクマの物語

ずっと気にはなっていたけれど、結局観れていなかったパディントン。
この度、パディントン2が公開されるということで、1を観ていないにも関わらず行ってきました。

これは期待以上の映画でした…観にいって良かった!
パディントンって割とリアルっぽいクマさんだけど、観てると案外カワイイし、性格がホントにいい子…素敵な英国紳士。

ということで、今回はパディントン2のレビューです。


映画『パディントン2』予告篇(キノフィルムズより)

「パディントン2」ってどんな話?

ブラウン家の一員として、幸せに生活しているクマのパディントン。もうすぐ100歳になるルーシーおばさんへの誕生日プレゼントを探していた彼は、骨董品屋ですてきな絵本を見つける。絵本代を稼ごうと窓ふきのアルバイトを始めるが、洗剤を頭からかぶるなど失敗しては騒動を起こす。そんな中、絵本が盗まれ、一家と共に絵本の行方を追うパディントンだが……。
シネマトゥデイより

主人公はパディントン。
ペルーからロンドンへやってきて、今はブラウン一家の一員として幸せに暮らしているクマさんです。

今回の映画では、パディントンがルーシーおばさんの誕生日に、飛び出す絵本をプレゼントしようとするけど、色んな騒動に巻き込まれてしまうというお話です。

とっても分かりやすい物語なので、前作を観ていない自分でもすぐに入り込めました。シンプルイズベスト!

結構笑えるところもあるし、ベタな展開もあるんだけど、最後は心温まる素敵な物語です。

【ココが良い】物語、演出、というか全部

こんなに満足度の高い映画は久々です。
ホントに素敵な映画でした。

例えば、物語。
前述した通り、ホントにシンプルなお話なんですよね。
めっちゃ要約すると、
「パディントンがルーシーおばさんのために頑張る話」

予告やあらすじなどで見かける「プレゼント(飛び出す絵本)を手に入れるため」っていうのは表向きという風に解釈していて、根底にはルーシーおばさんへの想いがあると感じました。

この映画では何をしたいのか?がスッと入ってきたので、全然飽きずに、むしろすべてのシーンを興味深く観ることができました。

また、映像などの演出もすごく良かったんです。

例えば、「パディントン2」の映画タイトルの出し方。
窓の曇りを利用して、パディントンが「paddington2」って書くんですよね。
すごいスマートで、映像に馴染むタイトルの出し方だなぁと思って、えらく感動してしまいました。

あとは、映像そのものに様々な工夫があって、目で観て楽しかったですね。
パディントンが来たことによって刑務所の食堂の雰囲気が変わっていく様をストップモーションで表現してみたり、ちょっと説明チックなシーンでは簡単なアニメーションを用いたり…
映像にもメリハリがあって素晴らしいと思いました。

パディントンってどちらかというと、子供やファミリー向けだとは思いますが、それ以外の大人が観ても見応えがある映像作品になっていました。

【ココはちょっと…】特になし

久々に文句無しの映画に出会いました。

前作は観ていなかったけれど、初見の人でも分かりやすいキャラクター紹介があって、すぐにパディントンの世界観に入ることが出来ました。
また、ブラウン一家や街の人たちを映すことによって、パディントンがどんなクマさんなんだろうっていうのがより引き立っていて、演出や構成が本当によく出来ている映画だなと思いました。

これはBlu-rayを借りて、前作も観ないともったいないね…

伏線の回収がお見事

この映画がすごいなと思ったのが、伏線の回収です。

前作を観ていなくても、キャラクター紹介だったり、パディントンの生い立ち的なシーンも入り込んでいるので、初見でも大方分かるような構成になっているんですが、それらも含めて散りばめられた伏線を、後半で見事に回収しているのが本当にお見事でした。

とは言え、ちょっとベタな感じで、その後の展開も結構読めちゃう部分もあったんですけど、私はベタベタが大好きなので興奮しましたね。

ともかく、この映画がこんなに作りこまれているとは思っておらず、良い意味で意外でした。
子供だけじゃなく、大人も笑って楽しめる映画です。


というわけで、パディントン2の評価は…

音楽★★★★☆
物語★★★★★
脚本★★★★★
演出★★★★★
感情★★★★★

総合評価4.8

公式HP:パディントン2

トップ画像:©P&Co Ltd. / SC 2017

前作のパディントンはこちら

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ日本橋
スクリーン5(シネスコサイズ)
上映回:2018年1月21日(日)9時30分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)いぬやしき

(2)名探偵コナン ゼロの執行人

(3)ちはやふる-結び-

(4)坂道のアポロン

(5)となりの怪物くん

(6)ピーターラビット

(7)ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル

(8)ボス・ベイビー

(9)リメンバー・ミー

(10)ヴァレリアン 千の惑星の救世主

(11)グレイテスト・ショーマン

客層

20代 1割
30代 2割
40代 3割
50代以上 4割
男女比 6:4




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ジオストーム|異常気象による大混乱の迫力は面白い!

人類が天候を操る衛星を開発した…!
それが突然の暴走で人類滅亡の危機!?

すごいB級映画くさい感じがたまらなく観たい気持ちを掻き立てたので行ってきました。
せっかく観るならと、IMAX3D版を鑑賞。

…なかなか迫力がある映画でした。
ということで、今回はジオストームのレビューです。


映画『ジオストーム』本予告(ワーナーブラザーズ公式チャンネルより)

「ジオストーム」ってどんな話?

天候を意のままにできる宇宙ステーションが開発された近未来、地球は未曾有の自然災害に襲われることがなくなる。ところが運用開始から2年後、宇宙ステーションがウイルス感染して暴走し各地で異常気象を引き起こしてしまう。巨大災害が同時多発的に起きる地球壊滅災害“ジオストーム”の発生を防ぐため、宇宙ステーションの開発者ジェイク(ジェラルド・バトラー)と彼の弟マックス(ジム・スタージェス)が立ち上がる。
シネマトゥデイより

簡単に言うと、気象コントロール衛星が暴走を始めたため、世界各国で起こる異常気象を食い止めるために、科学者ジェイクが弟のマックスとともに立ち向かうというストーリー。

気象衛星が暴走を始めた原因は、ウイルス感染。
その詳細を探るうちに、色々な事件が発生してしまうというミステリー要素もある映画です。

ディザスター(大災害)がテーマの映画となりますので、その衝撃度を感じるためにも、映画館で観るにはもってこいの映画となっています。

【ココが良い】ディザスターシーン、ミステリー要素、カーチェイス

やはり、この映画の一番の見どころはディザスター(大災害)シーンだと思います。

地底のマグマ活動によって地表が高温になり、地割れで香港の街が崩壊するシーン。
リオデジャネイロが大寒波に襲われ、ビーチが一瞬で氷漬けになるシーン。
砂漠のドバイが津波に襲われ、街が流されるシーン。
東京も巨大な雹に襲われる…

街が崩壊し、大混乱に陥るシーンは結構見応えがありました。
個人的に好きなのは、香港のシーンですね。
地割れで車が飲み込まれるところとか、高層ビルがなぎ倒されるところとかは面白かったですね。

この映画が一番魅せたい部分なんだな、というのを感じました。

あと、気象衛星が制御不能になった原因を突き止めていくんですが、その過程の中で色々な事件が起きてしまうというミステリー要素も面白かったですね。

もう一つ、何気にカーチェイスシーンが面白かった…!

さっきの香港のディザスターシーンも一種のカーチェイス的な感じだったんですけど、チェンという登場人物が地割れに飲み込まれそうになって車で逃げるシーンはちょっとハラハラドキドキでした。

クライマックスでのカーチェイスも見ものです。
気象衛星が暴走して稲妻が落ちる中、逃げるシーンはすごく面白かったですね。

【ココはちょっと…】人間ドラマ

期待通りのB級映画だったんですけど、これはちょっと如何なものかと思いました。そう、人間ドラマです。

端的に言うと、安くさいドラマでした。

ディザスターシーンが見どころというのはおそらくそうだと思うんですが、何気に人間ドラマが中途半端に幅を利かせているのが気になってしまいました。

例えば…
ジェイクとマックスの兄弟が過去のことで犬猿の仲になっているらしいけど、嫌々言っていながら結局は協力して緊急事態に立ち向かうってのがトントン拍子すぎるし…
それでいて、後半のシーンで「もっと早く和解していればよかった」みたいなセリフも出てきて、よく分からなかったですね…

あと、ジェイクの娘さん?が、明らかにマックスのほうに懐いてるのに、ジェイクが宇宙ステーションに行くみたいな話になったら、泣きながら「帰ってきて…」みたいなところとか、全然感動できなくて、何か人間ドラマがちぐはぐなんだよなぁ…

マックスの方も、何気に色んな人脈があるんだけど、「ちょっとこれ頼めないかなぁ」みたいなお願いしたらあっさりOKしてくれたり…
上映時間109分の間に解決しないといけないのは分かるけど、それにしてもあっさり話が進みすぎじゃないかなぁ…と思ってしまった。

他にも気になった部分がたくさんあるんだけど、この人間ドラマの芯がもう少ししっかりしてたら、ディザスターシーンも見応えあり、感動ありみたいな感じで面白かったのにな…

シークレットサービスがカッコイイ…

異常気象による大災害を描く本作。
にもかかわらず…

個人的には、マックスの恋人であり、シークレットサービスのサラ・ウィルソン(アビー・コーニッシュ)がめっちゃカッコ良いと思いました!
日本語吹き替え版では、ブルゾンちえみが声優を務めています。

自分はやっぱりキャリアウーマン系が好きなのかな…(笑)
ブルゾンちえみも大好きだし…

映画の中でも、クライマックスでのカーチェイスシーンで車を運転していたんですけど、ハンドルさばきがすごいカッコイイ…機転を利かせた行動とかも。

とにかく登場人物の中では意外と目立ってたし、クライマックスシーンは彼女のためにあるようなものですね。
前述の人間ドラマで、うーんどうかなと思っていたところですが、彼女の姿は本当にカッコよかった。


というわけで、ジオストームの評価は…

音楽★★★☆☆
物語★★★★☆
脚本★★★☆☆
演出★★★★☆
感情★★★☆☆

総合評価3.4

公式HP:ジオストーム

トップ画像:©Warner Bros.

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ新宿
スクリーン10(シネスコサイズ/IMAX)
上映回:2018年1月19日(金)21時15分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)グレイテスト・ショーマン

(2)アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

(3)ブラックパンサー 

客層

20代 3割
30代 3割
40代以上 4割
男女比 6:4




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