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グレイテスト・ショーマン|自分らしく生きることを後押ししてくれるミュージカル

LA・LA・LANDの製作チームが贈る感動のミュージカルエンターテイメントということで、かなり期待しながら観に行きました。
元々ミュージカル映画ってそんなに好きではなかったんですけど、LA・LA・LANDが良かったので公開が楽しみでした。(なのに公開初週には行けず…)

ということで、観てきたらすごい良かった…楽曲が特に好き。
今回はそんな「グレイテスト・ショーマン」のレビューです。


映画『グレイテスト・ショーマン』予告D (20thFOXjpより)

「グレイテスト・ショーマン」ってどんな話?

P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は妻(ミシェル・ウィリアムズ)と娘たちを幸せにすることを願い、これまでにないゴージャスなショーを作ろうと考える。イギリスから奇跡の声を持つオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)を連れてアメリカに戻った彼は、各地でショーを開催し、大成功を収めるが……。
シネマトゥデイより

P.T.バーナムさんは、19世紀半ばのアメリカでショービジネスの原点を築いた興行師とのことで、実在した方なんですね。
そんな前情報を全く知らないまま観に行ってしまいました。

ですが、差別や偏見で居場所をなくした人たちがスターになれる場所を作り、自身も興行師として成功を収めた素晴らしい方なんだなということをこの映画で知ることが出来ました。

この映画は、そんな彼のサクセスストーリーをミュージカルとして描いた作品となっています。

【ココが良い】音楽、ミュージカル

LA・LA・LANDの製作チームだけあって、楽曲はめちゃ良かったですね。
LA・LA・LANDの時もそうでしたが、映画を観終わった後に迷わずCD買っちゃいましたね。
それくらい素敵な楽曲ばかりでした。

特に、ヒュー・ジャックマンとザック・エフロンがバーで歌ってるシーンのThe Other Sideっていう曲が個人的にはツボですね。楽曲も良かったですし、そのシーン自体もすごく良かったです。
グレイテスト・ショーマンでは、グラスを置く音とか、金槌で叩く音とか、楽器以外の音を使って映像とリンクさせた演出が楽しくて胸熱でした。

あと、上映時間104分に対して楽曲が9曲。
リプライズも含めると、実際にはもう少し歌があるので、映画の中の音楽の比率が高い!
今思い出してみても、ずっと音楽が流れているような印象さえあるくらい、歌がたくさんありました。
そのため、音楽好きの自分にとってはかなり楽しい映画でした。

また、LA・LA・LANDはオープニングのワンカットでのミュージカルシーンがとても圧倒されましたが、グレイテスト・ショーマンは、ワンカットはないものの、歌・セリフ・ダンスをうまく組み合わせた所謂ミュージカルっぽい演出がとても素敵でした。

これは期待通りの作品でした。

【ココはちょっと…】ストーリー

すごく楽しめた映画だったので、ここはちょっとなぁ…というところは正直ないのですが、強いて挙げるとすれば、ストーリーですね。

物語の展開としてはあまり深くないと思いました。
ちょっとした苦難もありますが、割とサクサクと物語が進んでいくので、都合が良いように見えた部分もあります。

ただ、この映画の軸としてはミュージカルと多様性だと思いますし、前述したとおり、音楽やミュージカルが良かったので、それほど気になりませんでしたね。

自分らしく生きることは大事!

映画の中では、差別や偏見で居場所を失っていた人たちが、ショーの中で居場所を見つけて輝いていく姿が映し出されていました。
ショーの中のエンターテイナーだけではなく、バーナムも、興行が成功したにも関わらず、上流階級の人たちには低俗なものと言って認められなかったり、フィリップも空中ブランコ乗りのアンに恋をしてしまうが、身分の違いに苦悩するなど、そういった世の中の空気感も描かれていました。

でも、「自分らしく生きる」ということは大事だというメッセージがこの作品には込められていると思います。
話題にもなっている「This is me」という曲にもそれが表れています。

周りの色々な言葉に振り回されるのではなく、
自分に誇りをもって、自分のリズムで行進するの、もう怖くない。

そんなニュアンスの歌詞が、自分らしさや自分の居場所を見失っている人を後押しする応援ソングになっていると感じました。
とても良い楽曲です。


ちょっと話は変わりますが、上映前の企業広告が印象的でした。


企業「ForONEs 2017」篇60秒 (docomoOfficialより)

docomoのForONEs~世界は、ひとりの複数形でできている~
このコピー好きだなぁ…
映画館の企業広告はガツンと来るのが多くてすごい良いよね。

というわけで、グレイテスト・ショーマンの評価は…

音楽★★★★★
物語★★★★☆
脚本★★★★☆
演出★★★★★
感情★★★★★

総合評価4.6

公式HP:グレイテスト・ショーマン

トップ画像:©Twentieth Century Fox Film Corporation.

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ新宿
スクリーン10(シネスコサイズ/IMAX)
上映回:2018年2月24日(土)21時00分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)ブラックパンサー

客層

20代 3割
30代 4割
40代 2割
50代~1割
男女比 5:5




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不能犯|スピード感に欠けるサスペンス

劇場予告で見かけたこの映画。

「上映開始5分、あなたのマインドが支配される」

ほう、なるほど。
支配してもらおうじゃないのと強気で観に行った本作。

漫画が原作のようですが、この映画が初見でした。
あまり先入観もなく観てきたので、
今回はそんな「不能犯」のレビューです。


映画『不能犯』本予告(showgatetrailerより)

「不能犯」ってどんな話?

大都会を舞台に立て続けに変死事件が起こり、その現場には決まっていつも黒のスーツを着た男の姿があった。その男は宇相吹正(松坂桃李)で、“電話ボックスの男”とSNSで話題になっており、とある電話ボックスに殺人の依頼を貼るだけで必ず遂行されるとささやかれていた。実際に標的は100パーセントの確率で、事故や自殺や病気によって命を落としており……。
シネマトゥデイより

SNS上で話題になっている電話ボックスの男。
とある電話ボックスに殺人の依頼を貼ると、その人を殺してくれるという都市伝説。
その殺意は純粋なものでなければならず、そうでなければ依頼人も死ぬと言われている。

世の中は色んな殺意に溢れていて、
黒いスーツの男=宇相吹正(うそぶきただし)は、その依頼を受けるとマインドコントロール(思い込み)で対象者を殺す。

自らの手を使わないため、立証できない犯罪であるが、多田友子(沢尻エリカ)は黒いスーツの男を探す。

何度か接触するうちに、多田には宇相吹のマインドコントロールが効かないことが分かり、何人もの人が殺されていくのを食い止めるため、不能犯と対決する…というお話。

【ココが良い】物語、宇相吹の不気味さ

予告でも思いましたが、まずは物語が面白かったです。
全く手をかけずに、見つめるだけで殺すという立証不可能な犯罪に立ち向かうストーリーに、どんな結末になるんだろうと興味がわきました。

物語の中では、「電話ボックスの男」という都市伝説の形で存在していることも個人的には面白かったですね。
都市伝説系の話はすごく好きなので…

あとは、宇相吹を演じる松坂桃李さんが良くって、黒スーツで神出鬼没な感じが堪らなく不気味で良かったです。

また、クライマックスで電話をかけるシーンなんかは、胸をスカッとさせてくれて意外にいい奴なんだなって思わせてくれました(笑)

【ココはちょっと…】演技、全体のバランス、スピード感

一番気になったのは、誰とは言いませんがセリフが棒読みだったこと。そこまでシビアに観てるつもりはないんですけど、そんな自分でも明らかに気づいてしまうくらい棒読み演技が一部あったので、他の出演者の方々との演技力の差が滲み出ていました。

あとは、映画全体のバランス。
この映画、結構人が死にます。物語上仕方ないのは分かりますが、映画全体に占める人が死ぬシーンの割合が高いと思います。

確か、記憶してるだけでも10人以上死んでるので、映画106分に対してさすがに多すぎないかな…と思ってしまいました。
しかも、映画のテーマ上、理不尽な死なので、観ていて不愉快とまではいきませんが、ちょっともういいよってなりました。

それもあってか、映画にスピード感が無いんですよね。
他の映画と比較しても、106分って上映時間が短い部類だと思うんですけど、かなり長く感じてしまった…

予告で観た感じだと、もっとスピード感があって、宇相吹と多田がめちゃくちゃやりあうのかなーと思っていたんですけど、少し予想を裏切られた感じでした。

人間の弱さや脆さを描いていると解釈

電話ボックスの男に頼めば嫌な人を殺してくれる。
でも純粋な殺意でなければ、依頼人も死ぬ。
そんな都市伝説的な話だったけど、依頼人は全員死んでるんですよね…
というか、そもそも純粋な殺意とは…

結局、純粋な殺意なんて存在せず、全て人間の弱さなんでしょうね。宇相吹の「愚かだね、人間は」というセリフにもリンクしてくると思います。

確かに、劇中の依頼人は自分のことしか考えてないなーと思いながら観てましたね。勝手に勘違いして、勝手な殺意を抱いて、そして勝手に死んでいく…
人間の弱さや脆さ、そして愚かさをこの映画で見せられた気がしました。
人が死ぬシーンが多いのはそういう意図があったのでしょうか…

というわけで、不能犯の評価は…

音楽★★☆☆☆
物語★★★☆☆
脚本★★★☆☆
演出★★☆☆☆
感情★★☆☆☆

総合評価2.4

公式HP:不能犯

トップ画像:©2018「不能犯」製作委員会

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ日本橋
スクリーン1(ビスタサイズ)
上映回:2018年2月3日(土)11時50分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)羊と鋼の森

(2)のみとり侍

(3)ラプラスの魔女

(4)いぬやしき

(5)空海-KU-KAI

(6)曇天に笑う

(7)ちはやふる-結び-

(8)去年の冬、きみと別れ

(9)坂道のアポロン

プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~
プロモーション映像

(10)リバーズ・エッジ

(11)グレイテスト・ショーマン

(12)今夜、ロマンス劇場で

(13)マンハント

客層

20代 2割
30代 3割
40代 4割
50代 1割
男女比 6:4




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スリー・ビルボード|アカデミー賞有力候補のクライム・サスペンス

アメリカの片田舎の大通りに突然現れた真っ赤な広告。
サスペンスを彩る要素としてそれだけで十分すぎて、これは観に行きたいなぁ…と思い立った本作。

なんでも、本年度アカデミー賞の最有力候補だそうで…

内容としては確かに納得の作品でした。
(この後に書きますが、個人的には観かたを失敗しましたが)
今回はそんな「スリー・ビルボード」のレビューです。


「スリー・ビルボード」日本版予告編(フォックス・サーチライト・ピクチャーズより)

「スリー・ビルボード」ってどんな話?

ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できない警察に苛立ち、警察を批判する3枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬する彼の部下や町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始め……。
シネマトゥデイより

娘を殺されたミルドレッドが、田舎道に寂れた看板があるのを見つけて、その広告社であるエビング広告社に発注するというところから物語が始まります。

その看板の最後の広告は、1986年のオムツの広告。
それ以来誰も発注する人がいなかったようで、かなりボロボロ。
しかし、ミルドレッドの広告が完成してからは、見違えたように看板が生まれ変わりましたが、周りに何もないところにポツンとある真っ赤な看板がとても異様な光景に見えます。

これをきっかけにミルドレッドは注目されることになりますが、みんなが信頼している警察署長に対する批判メッセージだったため、町の人たちは複雑。

そんな中、少しずつ事態が動き始めていく…というサスペンス要素満載の映画です。

【ココが良い】演技、音楽

この映画はミルドレッドが寂れた看板を見つけるところから映像が始まるんですが、そこで流れているオペラが、これから始まる物語やミルドレッドの感情を推し量っているような雰囲気を醸し出していて良かったんですよね。

全編通して、物語や人物の感情を表現している音楽がとても良かったです。カーター・バーウェルさんという方が音楽を担当しています。

また、一番良かったのは主人公のミルドレッドを演じるフランシス・マクドーマンドさんですね。

娘を殺されたという難しい役柄でしたが、その悲しみや、自分自身の後悔、犯人に対する憎しみ、警察に対する怒りなど、様々な感情を見事に演じていました。セリフのトーンもかなりリアリティがあって、結構食い入るように観ましたね。

言葉も違うので、海外映画の演技って正直分かり兼ねるんですけど、でもミルドレッドは「良い」って分かったね。
セリフだけじゃなくて、目とか表情とか仕草とか、色んなものをフルに使っていてこれは凄いと思いました。

【ココはちょっと…】「誰も辿り着いたことのない結末へと連れ去る衝撃と感動のクライム・サスペンス」

映画の宣伝文句として随所に記載がありますが、「誰も辿り着いたことのない結末」
これがミソですね。

正直、映画は全然悪くないんです。
アカデミー賞になっても大いに納得するよくできた映画だったんですけど、観る側次第で良くも悪くもなってしまうのかなと思います。

その観る側がダメだったパターンが自分なんですけど…

予告やあらすじをみて「こんな映画かなぁ」と勝手にイメージしてしまったんですね。
他の映画でもやるのでそこは大した問題じゃないんですけど、想像していた展開と違って、なおかつ、想像を超えた部分の上手い落としどころが自分で見つけられなかったんです。

そういう脚本や構成にしてるんであればいいんですが…

例えば、ミルドレッドの娘の事件には警察が関わってるのかと思ったら別にそうではなかったり…
犯人の手がかりを発見して真相に近づいたかと思えばそうではなかったり…
この映画では、謎を解き明かすことがゴールではないのね。

そこの部分をイメージしてしまったもんだから、ラストは「えっ、これで終わり?」と思ってしまいました…

完全にこれは自分自身の問題なんですけど、よくあるサスペンス映画を想像していくとちょっと違うと思います。

人間ドラマを中心に観ないといけませんでしたね…(失敗)

怒りはどこへ行くのか

スリービルボードが発端で、事態がどんどん変化していくこの物語。そもそも、この広告は警察に対する怒りを広告で表したものなので、怒りが周りに与える影響というか、怒りが周りを巻き込んでいく様をスクリーンで表現したのかなと解釈しました。

広告を出したことで協力してくれる人も現れたりしてましたが、怒ることで巻き込まれた人が傷ついたりしているのを観て、怒りは何も生み出さないなぁと思いました。(社会的に正しいという前提の場合)

全編を通して、怒りの演技が素晴らしかったフランシス・マクドーマンドさんはホント拍手です。

というわけで、スリー・ビルボードの評価は…

音楽★★★★☆
物語★★★★☆
脚本★★★★☆
演出★★★★☆
感情★★★★☆

総合評価4.0

公式HP:スリー・ビルボード

トップ画像:©Twentieth Century Fox Film Corporation.

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ日本橋
スクリーン8(シネスコサイズ/TCX)
上映回:2018年2月2日(金)12時50分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)羊と鋼の森

(2)のみとり侍

(3)ラプラスの魔女

(4)いぬやしき

(5)空海-KU-KAI

(6)ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

(7)ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書

(8)ダウンサイズ

(9)15時17分、パリ行き

(10)シェイプ・オブ・ウォーター

(11)The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ

(12)ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ

(13)グレイテスト・ショーマン

客層

30代 1割
40代 3割
50代 6割
男女比 7:3

平日の日中だったため、若い年代は皆無。
多くが高齢者。




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祈りの幕が下りる時|傑作ミステリー。これは泣いた…

新参者シリーズ最後の事件ということで、劇場予告公開からとても楽しみにしてました。

安定の新参者シリーズ。
切ないストーリーについ涙してしまいました…

今回はそんな「祈りの幕が下りる時」のレビューです。


映画「祈りの幕が下りる時」予告2(東宝MOVIEチャンネルより)

「祈りの幕が下りる時」ってどんな話?

滋賀県に住む女性が東京都葛飾区で殺され、松宮(溝端淳平)ら警視庁捜査一課の刑事たちが担当するが、捜査は難航する。やがて捜査線上に女性演出家・浅居博美(松嶋菜々子)の存在が浮かび上がり、近くで発見された焼死体との関連を疑う松宮は、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が記されていることを発見する。そのことを知った加賀恭一郎(阿部寛)は心を乱し……。
シネマトゥデイより

今回の映画では、新参者シリーズ共通の謎が明かされます。

加賀恭一郎が日本橋にずっとこだわっている理由と、加賀の母親がいなくなった理由。

予告編でもあるように、この物語でカギを握っているのは加賀自身でした。
事件が明かされたとき、思わず涙してしまいました。
それほど、心打たれる人間ドラマがこの映画にはあります。

「泣けるミステリー」
これは嘘ではなかった…!

【ココが良い】物語、演出、演技

何といっても、物語が本当に素晴らしかったんです。
伏線が随所に散りばめられていて、その全てをスマートに回収していく様が本当に良かった!
極上のミステリーだと思います。

物語の中で起こる事件が、一見関係なさそうに見えて実は複雑に絡み合っていて、少しずつ謎が解けていく様は、観ていて本当に胸熱でした。
そして、明かされる結末はとても切なくて悲しくて、ジーンとしてしまう、そんな心打たれる物語です。

また、明治座で結末が明かされるのですが、舞台の幕が上がるんですよね。そして語り終えると同時に、幕が下りる。
タイトルの「祈りの幕が下りる時」にもリンクされる素晴らしい演出も見逃せません。

あと、とっても良かったのが松嶋菜々子さん!
加賀じゃないですけど、「やっぱ超キレイだな」って映画中、何度も思いました(笑)
また、演技もホントよくって、加賀の推理に動揺する浅居がホント良かった。顔が引きつってる画がゾクゾクしたね。
人気演出家という役柄もすごいハマってたし、完成度の高い映画だったなぁ。

【ココはちょっと…】特になし

ミステリーとして完璧すぎると思ってしまうほど、緻密に構成された内容です。
ホントに面白かった!

ココはちょっとなぁ…というところは、探してもありませんね。劇伴も、物語を加速度的に面白くするタイミングだったり、そもそも楽曲が良かったり…とてもおススメの映画です。

家族の絆がカギ

このミステリーで描かれている重要なポイントは、きっと家族なんだろうと思います。

加賀が追っていた母の人生について。
そして、浅居博美の父と母について。

それぞれ描かれている人間ドラマは、家族の絆にかかわるエピソードばかりです。
そして、どちらも関わりが無いように見えて、実は複雑に関わっているという、ミステリーとしての構成が素晴らしい。

この手の話は弱いんですよね…
浅居博美とその父のエピソードはホントに切なくて悲しい…
なのでガッツリ泣いてしまいました。

ミステリーとしても面白いし、人間ドラマも必見のこの映画はぜひ劇場で観て欲しいと思います。

というわけで、祈りの幕が下りる時の評価は…

音楽★★★★☆
物語★★★★★
脚本★★★★★
演出★★★★★
感情★★★★★

総合評価4.8

公式HP:祈りの幕が下りる時

トップ画像:©2018「祈りの幕が下りる時」製作委員会

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ日本橋
スクリーン7(ビスタサイズ/TCX)
上映回:2018年2月3日(土)9時10分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)のみとり侍

(2)いぬやしき

(3)坂道のアポロン

(4)空海-KU-KAI-

(5)ラプラスの魔女

(6)北の桜守

(7)今夜、ロマンス劇場で

(8)マンハント

(9)ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書

客層

20代 1割
30代 3割
40代 4割
50代 2割
男女比 5:5




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嘘を愛する女|本当の愛って何だろうと考えさせられた

予告を観てかなりミステリアスな雰囲気が漂う映画だなぁ…
と思い、ドロドロ感を期待していた「嘘を愛する女」。
ようやく観てきました。

少し想像と違う展開に意外性を感じつつも、イントロダクションの通り、本物の愛を描いた作品になっていると思いました。
今回はそんな「嘘を愛する女」のレビューです。


「嘘を愛する女」特報(東宝MOVIEチャンネルより)

「嘘を愛する女」ってどんな話?

世話好きな研究医の恋人・小出桔平(高橋一生)と5年にわたって同居している食品メーカー勤務の川原由加利(長澤まさみ)。ある日、桔平がくも膜下出血で倒れて寝たきりになってしまう。さらに彼の運転免許証、医師免許証が偽造されたもので、名前も職業もうそだったことが判明。彼女は探偵の海原匠(吉田鋼太郎)と助手キム(DAIGO)に桔平の素性調査を依頼する。そして桔平が執筆中だった小説が見つかり、そこから瀬戸内のどこかに桔平の故郷があることを知る由加利だったが……。
シネマトゥデイより

ある日突然、恋人が病に倒れてしまったのがきっかけで、その人の素性が全部嘘だったことを知ってしまう主人公の由加利(長澤まさみ)。
驚きと混乱、次第に怒りもこみ上げてくる中で、恋人の過去を探しに行くというストーリー。

免許証は住所以外は全部でたらめ。
勤務先には在籍しておらず社員証も偽物。
本当の名前も分からないので、病院の書類に患者名も書けず…

恋人という親密な関係の人が、名前から何から全部嘘だって知ったらちょっと怖いですよね…

そんなミステリアスな要素もありつつ、本当の愛って何だろうと考えさせられる映画になっています。

【ココが良い】演技、瀬戸内の景色、長澤まさみ

何といっても、長澤まさみさんがイイ!
君の名は。の奥寺先輩の声も担当していましたが、最近は映画で結構お見掛けすることが多くなりました。

今回の「嘘を愛する女」では、高橋一生さん演じる桔平の恋人役として出演されています。この前観た散歩する侵略者でも同じような役を演じていましたが、「恋人」や「妻」といったポジションの役がホントハマってますね。

この映画では、恋人の素性が全部嘘だったと知った時の衝撃だったり、混乱だったり、怒りや悲しみといった感情を含む演技がホントに素晴らしいと思いました。

それだけでなく、映画に登場する方々の演技がホントに良かったんですよね。

何でも、監督が役者の皆さんに、各キャラクターの詳細設定資料を事前に渡されていたそうなんです。
それこそ、家族構成や、家族からの影響、学歴、性格、性格形成にまつわるエピソードなど、登場人物のバックボーンが描かれたかなり詳細な資料だったようです。

そのため、役者やスタッフの皆さんが、監督がイメージするキャラクターをしっかり共有できているんだなぁと、素人の立場からでも分かるくらいの素敵な演技でした。

あと、映画後半のメインの舞台となる瀬戸内の風景がすごく良かったですね。
瀬戸大橋や、瀬戸内の色んな島の風景がでてきますが、それだけで画になるくらい壮大で素晴らしかったです。
映画を観ながら、旅行で行ってみたいなと思ってしまいました(笑)

【ココはちょっと…】エンタメ性

この手の映画は、観た後に観客自身が考えたり感じたりすることができるという点で素晴らしいと思いますが、正直、エンタメ性には欠けますよね。

この映画は、新聞にも載った「夫は誰だった?」という実在の事件をヒントに作り上げた物語です。
そのため、すごくリアリティがあって良いのですが、娯楽という観点で見れば、それほどでもないかな…と思いました。

友達に「行こうぜ!」と言って誘うようなノリの映画ではないことは確かで、実際、私が観に行った上映回は、基本的にはカップル(夫婦)か、一人で鑑賞されている方だけでした。

逆に、大人しくしっとりと観るにはいい映画だと思います。

本当に愛するということ

この映画の宣伝文句で、「愛の概念が覆る」なんて言ったりしていたので、結構興味深く観ていました。

愛する人の素性が全部嘘だった。
すなわち、愛する人について知っていることが全部崩れ去った時、その人を本当に愛することができるのだろうか。
そういう視点で「愛」を描いた作品なのだろうと、解釈しました。

そもそも愛って本当に難しい概念だと思います。

今回の映画のような話だと、愛もさることながら、今まで築いてきた信頼が失われてしまう事態だと思います。自分ならちょっと引いてしまうなぁ…と思いますが、その嘘も含めて全てを愛す、ということを映画で魅せられたような気がしました。

ただ、映画の中の嘘は、愛しているが故に、由加利を苦しめているという側面もあると思うので、今まで観たことがないタイプのヒューマンドラマでした。

というわけで、嘘を愛する女の評価は…

音楽★★★☆☆
物語★★★☆☆
脚本★★★★☆
演出★★★★☆
感情★★★☆☆

総合評価3.4

公式HP:嘘を愛する女

トップ画像:(C)2018「嘘を愛する女」製作委員会

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ錦糸町
スクリーン3(ビスタサイズ)
上映回:2018年1月28日(日)9時40分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)グレイテスト・ショーマン

(2)スリービルボード

(3)ちはやふる -結び-

(4)去年の冬、きみと別れ

(5)羊の木

(6)不能犯

(7)羊と鋼の森

(8)ラプラスの魔女

(9)坂道のアポロン

(10)空海-KU-KAI-

(11)いぬやしき

客層

30代 1割
40代 4割
50代 5割
男女比 5:5




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