「松坂桃李」タグアーカイブ

不能犯|スピード感に欠けるサスペンス

劇場予告で見かけたこの映画。

「上映開始5分、あなたのマインドが支配される」

ほう、なるほど。
支配してもらおうじゃないのと強気で観に行った本作。

漫画が原作のようですが、この映画が初見でした。
あまり先入観もなく観てきたので、
今回はそんな「不能犯」のレビューです。


映画『不能犯』本予告(showgatetrailerより)

「不能犯」ってどんな話?

大都会を舞台に立て続けに変死事件が起こり、その現場には決まっていつも黒のスーツを着た男の姿があった。その男は宇相吹正(松坂桃李)で、“電話ボックスの男”とSNSで話題になっており、とある電話ボックスに殺人の依頼を貼るだけで必ず遂行されるとささやかれていた。実際に標的は100パーセントの確率で、事故や自殺や病気によって命を落としており……。
シネマトゥデイより

SNS上で話題になっている電話ボックスの男。
とある電話ボックスに殺人の依頼を貼ると、その人を殺してくれるという都市伝説。
その殺意は純粋なものでなければならず、そうでなければ依頼人も死ぬと言われている。

世の中は色んな殺意に溢れていて、
黒いスーツの男=宇相吹正(うそぶきただし)は、その依頼を受けるとマインドコントロール(思い込み)で対象者を殺す。

自らの手を使わないため、立証できない犯罪であるが、多田友子(沢尻エリカ)は黒いスーツの男を探す。

何度か接触するうちに、多田には宇相吹のマインドコントロールが効かないことが分かり、何人もの人が殺されていくのを食い止めるため、不能犯と対決する…というお話。

【ココが良い】物語、宇相吹の不気味さ

予告でも思いましたが、まずは物語が面白かったです。
全く手をかけずに、見つめるだけで殺すという立証不可能な犯罪に立ち向かうストーリーに、どんな結末になるんだろうと興味がわきました。

物語の中では、「電話ボックスの男」という都市伝説の形で存在していることも個人的には面白かったですね。
都市伝説系の話はすごく好きなので…

あとは、宇相吹を演じる松坂桃李さんが良くって、黒スーツで神出鬼没な感じが堪らなく不気味で良かったです。

また、クライマックスで電話をかけるシーンなんかは、胸をスカッとさせてくれて意外にいい奴なんだなって思わせてくれました(笑)

【ココはちょっと…】演技、全体のバランス、スピード感

一番気になったのは、誰とは言いませんがセリフが棒読みだったこと。そこまでシビアに観てるつもりはないんですけど、そんな自分でも明らかに気づいてしまうくらい棒読み演技が一部あったので、他の出演者の方々との演技力の差が滲み出ていました。

あとは、映画全体のバランス。
この映画、結構人が死にます。物語上仕方ないのは分かりますが、映画全体に占める人が死ぬシーンの割合が高いと思います。

確か、記憶してるだけでも10人以上死んでるので、映画106分に対してさすがに多すぎないかな…と思ってしまいました。
しかも、映画のテーマ上、理不尽な死なので、観ていて不愉快とまではいきませんが、ちょっともういいよってなりました。

それもあってか、映画にスピード感が無いんですよね。
他の映画と比較しても、106分って上映時間が短い部類だと思うんですけど、かなり長く感じてしまった…

予告で観た感じだと、もっとスピード感があって、宇相吹と多田がめちゃくちゃやりあうのかなーと思っていたんですけど、少し予想を裏切られた感じでした。

人間の弱さや脆さを描いていると解釈

電話ボックスの男に頼めば嫌な人を殺してくれる。
でも純粋な殺意でなければ、依頼人も死ぬ。
そんな都市伝説的な話だったけど、依頼人は全員死んでるんですよね…
というか、そもそも純粋な殺意とは…

結局、純粋な殺意なんて存在せず、全て人間の弱さなんでしょうね。宇相吹の「愚かだね、人間は」というセリフにもリンクしてくると思います。

確かに、劇中の依頼人は自分のことしか考えてないなーと思いながら観てましたね。勝手に勘違いして、勝手な殺意を抱いて、そして勝手に死んでいく…
人間の弱さや脆さ、そして愚かさをこの映画で見せられた気がしました。
人が死ぬシーンが多いのはそういう意図があったのでしょうか…

というわけで、不能犯の評価は…

音楽★★☆☆☆
物語★★★☆☆
脚本★★★☆☆
演出★★☆☆☆
感情★★☆☆☆

総合評価2.4

公式HP:不能犯

トップ画像:©2018「不能犯」製作委員会

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ日本橋
スクリーン1(ビスタサイズ)
上映回:2018年2月3日(土)11時50分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)羊と鋼の森

(2)のみとり侍

(3)ラプラスの魔女

(4)いぬやしき

(5)空海-KU-KAI

(6)曇天に笑う

(7)ちはやふる-結び-

(8)去年の冬、きみと別れ

(9)坂道のアポロン

プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~
プロモーション映像

(10)リバーズ・エッジ

(11)グレイテスト・ショーマン

(12)今夜、ロマンス劇場で

(13)マンハント

客層

20代 2割
30代 3割
40代 4割
50代 1割
男女比 6:4




▼気に入ったらシェアをお願いします♪

ユリゴコロ|生々しい描写に注意。キャストの狂気じみた熱演がすごい映画

「あなたの優しさには容赦がありませんでした。」
そんなセリフが印象的な予告から、ちょっと気になっていたので1週遅れですが観てきました。

この映画、監督が実写版の「心が叫びたがってるんだ。」の熊澤尚人さんだったり、撮影が「帝一の國」の今村圭佑さん、音楽が「ソロモンの偽証」の安川午朗さんなど、自分が知ってる映画や好きな映画のスタッフも関わっていたみたいですね、、知らなかった、、

そんな、小説が原作のミステリーのプレビューです。


映画「ユリゴコロ」予告編(nikkatsuchannelより) 

吉高由里子さん5年ぶりの映画主演。他のキャストも熱演。

人殺しを演じるのは、吉高由里子さん。5年ぶりの映画主演だそうです。他に、松坂桃李さんと松山ケンイチさんなど、俳優陣も豪華。

吉高さんを久々に観ましたが綺麗な方ですね。
でも映画の中では怖い(笑)
人殺しという役柄なのですが、殺人が自分の拠りどころという、一般的には理解できない役なので、演じるのもかなり苦労されたんじゃないでしょうか。
でも、感情がない感じとか、平気で人を殺してしまう描写が恐ろしくて、すごい熱演でした。

松山さんや松坂さんも同様に、狂気に満ちた演技や罪悪感に悩まされる演技など、物語に引き込まれましたね。

あと、美沙子(吉高由里子)と友人関係にあったみつ子役の佐津川愛実さんも演技凄かったなぁ…
調べてみたら、以前観に行ったヒメアノ~ルの阿部ユカ役をやってたんだ!全然雰囲気違うし気づかなかった…

そんなこんなで、皆さんの演技が凄く上手くて、まさに熱演という言葉がふさわしいと思いました。

生々しい描写に恐怖。やっぱりホラーより人間の闇が恐ろしい。

今回吉高さん演じる役は、平気で人を殺すという恐ろしい役。
罪悪感も全くない、そんな狂気じみた演技にすごく観入ってしまいましたが、殺人の描写が生々しくて結構観ていてツライ…

結構な人数が殺されるので、事前に覚悟して観に行ったほうが良いと思います。あと、PG12指定だけあって、血もたくさん出てくるので、苦手な人はもしかしたら観ないほうが良いかも?

下手なホラー映画やスプラッター映画よりも、こういった人間の闇を映す映画ってホント怖いですよね。
特に前半は、美沙子(吉高由里子)のこれまで生きてきた中での殺人の記録などが丁寧に描写されているため、個人的には割とキツかったです…
でも洋介(松山ケンイチ)と出会ってから、少しずつその無機質な感情が愛に変わっていくので、その描写で少し心が楽になりました。

主題歌が良い!生々しい描写を観た後の心に染み渡る清水のよう。

前述したとおり、なかなか残酷で生々しい描写があり、結構観ていて疲れる映画だと思います。しかしこの映画の主題歌は、そんな映像を観た後の癒しと言っても良いほど素敵な曲です。

Rihwaさんって、恥ずかしながらこの曲で初めて知ったんですけど、透き通った声が印象的で、しかも良い曲書きますね。

何だろう。
映画を観た後に、この曲にすごく救われたような気がしてちょっと涙出てきました。
映画に合っているというか、映画とのバランスが取れた曲だと思います。

割と覚えやすいメロディーラインで、映画が終わった後に口ずさんでいる人も何人か見かけました。
私もその内の一人ですが…(笑)

YOUTUBEのRihwaさんの公式チャンネルから、ミュージックビデオを共有します。
ホント良い曲だなぁ…カラオケで練習しよう。


Rihwa「ミチシルベ」ミュージックビデオ(Rihwa Channelより)


話題となった原作小説の映像化ということで、観た後の満足度が高い映画でした。生々しい描写が苦手でなければ、おススメです。

公式HP:ユリゴコロ

トップ画像引用:(c)沼田まほかる/双葉社 (c)2017「ユリゴコロ」製作委員会

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ錦糸町
スクリーン5(シネスコサイズ)
上映回:2017年9月30日(土)20時35分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)STAR WARS 最後のジェダイ

(2)バリーシール アメリカをはめた男

(3)不能犯

(4)火花

(5)氷菓

(6)ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~

(7)ナラタージュ 公開初日舞台挨拶LV告知

(8)ナラタージュ

(9)北の桜守

(10)探偵はBARにいる3

客層

20代 4割
30~40代 4割
50代 2割
男女比 5:5

備考

・本編開始後の入場者2名
・男性3人グループとカップル1組が上映中会話

▼気に入ったらシェアをお願いします♪