タイトルからして、自分が好きなタイプの映画や…と思って、劇場でチラシを見かけた時から楽しみにしていた映画。
言葉が持つ意味や力を考えさせられるような、でも決して説教染みた感じではなく、優しさに溢れた青春映画でした。
映画『きみの声をとどけたい』本予告(公式配信:東北新社 映画チャンネルより)
力まずに自然体で観れる安心感
ここ最近のアニメ映画は、複雑に張り巡らされた伏線があったり考察が捗る内容だったりが多いけれど、この映画は、ポスターや予告から得られる情報から大きく外れることなく、展開が読みやすかったので割りとリラックスして観ることができました。
2015年公開の心が叫びたがってるんだ。のような、優しい世界の中で物語が進んでいくので、都合良すぎと思しき部分もあったりはしますけど、さほど気にならずに観ることができます。
むしろ、ストーリーも単純明快な物語でこの後の展開が分かっていながらも、ちゃっかり私は感動してしまいました…
何だろう、演出が良かったのか何なのか。
ラストってこうなるんでしょって、読み通りに展開していくにも関わらず、分かっていながらも感動してしまったのは、逆に物語がシンプルだったため、映画のメッセージが伝わったからなのかなぁと思います。
本記事のタイトルに「青春映画」と書きましたが、この映画は、青春以上に「言葉」に重きを置いているような気がします。
もちろん、女子高生たちの日々の葛藤だったり、「ラジオ」を通して色んなことを経験したり感じたりしながらのラストシーンは、観終わってさわやかな気分になりました。
色々な悪い言葉があふれた今の世の中に、言葉やコトダマが持つ力をまっすぐに描いたこの作品は、心に沁みましたね。。
この映画はどちらかというと、日常系なんでしょうかね。
そういった意味で、意地悪な展開とかは一切無いので、肩に力を入れずに安心して観れるかと思います。
コトダマを大事にする女子高生なぎさが純粋すぎる
なんか久々にこんなにピュアなキャラクターを観た気がします。
主人公のなぎさは、小さい頃おばあちゃんに、「言葉にはタマシイが宿っているんだよ」「願い続けていればきっと叶うよ」「悪口を言うと自分に返ってくるよ」と言われて、そのコトダマの話をずっと信じ続けていています。もうすでに、なんて純粋な子なんだろう…と思わざるを得ないのですが(笑う)
画像引用:(c)2017「きみの声をとどけたい」製作委員会
なぎさの幼馴染のかえでと夕は、顔を合わせるたびに口げんかをしてしまうのですが、なぎさはそれを聞いていて嫌だなぁとストレスを感じてしまったり、なぎさ自身も無意識のうちに悪口を言ってしまって、それをすぐ反省するところとか、ホントにピュアなキャラクターです。
そんな彼女のまっすぐな姿を観ていて、とても暖かい気持ちになりました。
やっぱり、コミュニケーションがSNSだったり、テキストで何でも済ませちゃうこの時代に、言葉やコトダマを大事にする純粋さは、立ち止まって色々考えさせられますね。
実はもっと凄い人が出てくる…
大袈裟なタイトルを付けてしまいましたが、映画を観て本当にそう思いました(笑う)
予告編でもあるように、朱音さんという寝たきりの女性(矢沢紫音の母)が登場しますが、彼女が本当に凄い(小並感)。
この記事のカテゴリはプレビューに設定していますので、詳しいことは割愛しますが、彼女の言葉の力で、この映画のクライマックスが成り立っていると言っても過言ではない…(はず)。
率直に、朱音さんのような人になりたいなぁ…と思ってしまった。
なかなかストレートなメッセージ性のある映画ですが、平和的でさわやかな気持ちにもなれます。
掘り出し物を見つけたような、比較的満足度の高いだと思いますので、宜しければ観てみては如何でしょうか。
公式HP:きみの声をとどけたい
トップ画像引用:(c)2017「きみの声をとどけたい」製作委員会
鑑賞記録
劇場
TOHOシネマズ新宿
スクリーン4(ビスタサイズ)
上映回:2017年9月1日(金)22時00分~
本編前予告作品一覧(上映順)
(1)火花
(2)ナラタージュ
(3)ミックス。
(4)亜人
(5)奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
(6)GODZILLA 怪獣惑星
(7)恋と嘘
(8)あさひなぐ
(9)ハイキュー!!才能とセンス
(10)ハイキュー!!コンセプトの戦い
(11)トリガール!
客層
20代 1割
30~40代 9割
男女比 9:1
備考
・本編開始後の入場者2名