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女神の見えざる手|敵も味方も観客も欺くミス・スローン。2017年一番興奮した洋画。

戦略のプロ「ロビィスト」をテーマにした映画。
10月公開にもかかわらず、すっかり見落としていて今更観てきました…でも絶賛ヒット中らしく、まだ公開終了してなくて良かった!

そのヒットも頷けるほど面白い映画でした。
個人的には、2017年一番興奮した洋画です。今回はそんな「女神の見えざる手」のプレビューです。


映画『女神の見えざる手』 予告篇(キノフィルムズより)

主人公ミス・スローンとは

この映画の邦題は「女神の見えざる手」ですが、原題は「MISS SLOANE」。主人公の名前です。

相変わらず、邦題のセンスのなさが光ります…
というのは置いといて、この映画のタイトルはMISS SLOANEが良かった…と思ってしまうほど、主人公が濃くて強い。

そもそもこの映画は、政府の政策に影響を及ぼすことを目的に、戦略的に活動するプロ集団:ロビィストをテーマとしています。
ミス・スローンはトップロビィストで、アメリカの銃社会の規制派としてロビー活動をするのですが…

彼女の決断力、発想力、行動力、信念  etc…
どれをとってもすごい。さすがプロと思わせる身のこなしで、映画なんだけど、ミス・スローンの凄さがひしひしと伝わってきました。

そして、ロビー活動で「勝つこと」しか考えていないので、超ぶっ飛んでる…
一般的なモラルや常識は通用しないし、法律ギリギリの危ないこともするし(むしろ違法)、周りの人たちはみんなコマみたいな感じに扱うし…絶対に一緒に仕事したくはない(笑)

でもそれほど強烈なキャラクターなので、今まであまり映画で観たことがないほど圧倒的で引き込まれました。

脚本がすごい興味深く面白い

女神の見えざる手は、もともと弁護士だったジョナサン・ペレラ氏が書いた脚本。しかも初めて書いた脚本が映画化されたそう…まずそこに驚き。

日本ではあまり馴染みがないロビー活動をテーマとした内容になっていますが、それほど知識がなくともすごく面白いし、分かりやすい脚本になっていました。

アメリカの銃社会という社会的なテーマも織り交ぜ、政治の舞台裏をスピーディに描いているが故、息もつかせぬ展開の移り変わりに、130分ほどの映画ながらあっという間でした。

当然アクション映画のような迫力はないですが、相手の先手を読む頭脳戦なので、それを巧みに魅せる脚本や構成がホントに面白かったです。
そしてセリフがめっちゃ多い!!
こんなにセリフが多い洋画観たことない…(笑)
そのため、字幕の文字の移り変わりがめっちゃ激しい!

役者の演技も観つつ、文字も追いつつで大変ですが、逆転につぐ逆転の末に導かれるラストはぜひ劇場で観て欲しいですね。

敵も味方も観客も欺く展開に胸が熱くなる

聴聞会に召喚され、過去の仕事における不正についての真偽を問われるミス・スローン。
そんなシーンから始まるこの映画ですが、まさかこのオープニングが壮大なフラグになっていたとは…

劇中では、敵も味方も関係なく欺き、利用し、勝つことしか頭にないくらいの強烈なキャラクターであるミス・スローンですが、観てるこっちも欺かれました。

それくらい、目まぐるしく変わる展開に胸が熱くなったし、ホントによく作られたストーリーだなと思いました。
これは面白かった!

ジョン・マッデン監督のインタビューによると、「シーンの流れを時系列にせず、リズムを重視する方法が模索された」らしく、どうりで主人公の感情というか、勢いが映画に現れていたなと感じました。

これはきっと2回目が面白いに違いない。。


政治的な要素がある映画ってたくさんあるんですけど、どれも魅せ方が退屈で面白くないと思っていました。

でもこの映画は、政治、ドラマ、サスペンスなどが色々織り交ぜて合って、脚本とスピード感がたまらなく面白くて、2017年で一番興奮した洋画でした。
あんまりブログにこういうことは書かないですが、この映画はおススメです。

公式HP:女神の見えざる手

トップ画像:(C)2016 EUROPACORP – FRANCE 2 CINEMA

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズみゆき座
(シネスコサイズ)
上映回:2017年12月5日(火)15時25分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)スター・ウォーズ 最後のジェダイ

(2)空海―KU-KAI―

(3)パディントン2

(4)ジャコメッティ 最後の肖像

(5)カンフー・ヨガ

(6)ユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~

客層

30代 1割
40代 2割
50代 7割
男女比 8:2

備考

たまたま機会があって平日に来てみたら、さすがに年齢層高かった…平日&みゆき座という場所柄、平均年齢50以上でした。




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