伊藤くん A to E|岡田将生さん演じる伊藤に振り回される女たちの物語

2018年、明けましておめでとうございます。(遅)
年も明けて、今年の映画始め、1本目の映画は「伊藤くんA to E」でした。

クズ男の伊藤に翻弄される女性たち、
そして主題歌のandrop「Joker」という曲が印象的な予告に魅かれて観に行ってきました。

新年早々、痛い映画からのスタート。
痛い1年にならないように祈りながら、今年も映画たくさん観よ…
ということで、伊藤くん A to Eのレビューです。


映画『伊藤くん A to E』 予告篇(showgatetrailerより)

「伊藤くん A to E」ってどんな話?

アラサーの元売れっ子脚本家・矢崎莉桜(木村文乃)は、自分の講演会に参加した4人の女性から受ける恋愛相談をネタにしようとする。取材を進めるうちに、彼女たちを振り回す男「伊藤」が同一人物で、しかも莉桜が講師を務めるシナリオスクールの生徒の一人・伊藤誠二郎(岡田将生)であることに気付くが……。
シネマトゥデイより

この映画には、色んな女性たちが出てきます。
A:ぞんざいに扱われる女
B:自分の殻に閉じこもる女
C:愛されたい女
D:ヘビー級処女
E:
それぞれの登場人物たちの群像劇のような構成になっています。
彼女たちに共通することは、伊藤という男の存在。
その伊藤がいわゆるクズ男で、彼女たちを振り回すというお話。

実は、伊藤くん A to Eのドラマも放送していたそうで…
そんなこととはTSU☆YU☆SHI☆RA☆ZU
いきなり映画から観に行ってしまった…
でも、初見でもストーリーとか理解できたし、映画を最初に観たとしても特に問題ない作りになっていました。

ちなみにドラマ版では、脚本家・矢崎莉桜がイメージしていることの視点で描かれているようです。
今回の映画では、A~Dの女たちの視点だったり、ドラマ版とは異なった視点となっていますので、ドラマを観た人は、視点の角度を楽しみながら観れると思います。

【ココが良い】キャスト、演技、主題歌

この映画は、岡田将生さんと木村文乃さんのW主演です。

伊藤くんを演じる岡田さんは、不敵な笑みや、人を見下すような目がなんとも恐ろしく、正に「痛い男」を演じ切っていました。
また、矢崎を演じる木村さんは、すごくプライドが高く、外面はいいけど毒を持っている女を熱演していました。

個人的には木村さんの演技が特に気に入っていて、伊藤に翻弄されて怒り苦しむ姿がすごい熱かった…!
美人さんだからちょっと見とれていたのもあるけど(笑)
最初は、伊藤と話していても平然とした態度だった矢崎が、徐々に動揺していく姿をよく演じていたと思いました。

また、他のキャストも、それぞれの役柄をしっかり理解して演じているのがすごい伝わってきました。

そもそもこの映画の登場人物は、みんなダメな人たちです。
ダメな方向性がはっきりしているので、一見現実的ではないと思いそうですが、たぶんどこかしら共感できるところがあるキャラばかりだと思います。

ちなみに私は、Bの女(自分の殻に閉じこもる)に少し似ている部分があり、ダメだなぁ…と思ってしまった次第。
ある意味、自分自身をも見直すきっかけにもなるのでは…

あとは、主題歌が映画にすごく合ってて良い!
エンドロールをノリノリで観てしまった…!
原作やドラマ等をしっかり読み込んだ上でじっくりと作られたそうなので、さすがというか、もうイメージぴったりの曲をありがとう!という感じでした。


androp「Joker」special movie (映画「伊藤くん A to E」ver.)
(UNIVERSAL MUSIC JAPANより)

【ココはちょっと…】劇伴の使い方、テンポ感

主題歌も良かったし、劇伴の楽曲自体は好きなんですけど、劇伴の使い方がちょっと良くないと思いました。

具体的に言うと、同じような楽曲を使い回していたので、音楽による物語の盛り上がりが無かったのが少し残念でした。
群像劇だし、そういう意味で同じものを使うのもアリだとは思いますが、個人的に、音楽は映画を盛り上げる重要な要素だと考えているので、もっと色んな音を鳴らして欲しかったなぁ…

あとは、映画全体の物語のテンポ感。
もうちょっとサクッと進めてもいいんじゃないかって思うシーンがいくつかありました。
何というか、「間」っていうんですかね。

伊藤に振り回されて女性たちが苦しんでるシーンとか、みじめなシーンの悲哀感を出しているのかもしれませんが、個人的にはもう少しテンポよく進めば良いのにと思いました。

プロットはすごく好きなタイプの話なので、個人的にはちょっと惜しい映画でしたね。

伊藤という男が映し出すもの

この映画の重要な人物である伊藤。
色んな女性を振り回すクズ男。

登場する女性たちは、考えが凝り固まっていたり、何かに捕らわれていたり、盲目になっていたり…
ある意味自分自身を見失っている人ばかり。
でも、振り回された女性たちは、みんな伊藤のおかげで一皮剥けていくんですよね。
そこがこの映画の面白いところなのだと思います。

「僕はリングになって、戦わない。戦わなきゃ負けない。」
伊藤が言ったセリフです。(確かこんなセリフだったような…)
伊藤は、自分が傷つきたくないから一生懸命になることを放棄し、目の前のことから逃げる男。
つまり、伊藤は人間の弱さなのだと解釈しました。

この映画を観終わってフッと思い浮かんだのが、中島みゆきさんの「ファイト!」という曲。

闘う君の唄を 闘わない奴らが笑うだろう

伊藤くんはまさに、闘わない奴らです。
でも逆に、そういった人をきっかけにして、「絶対見返してやる!」みたいなプラスのエネルギーが生まれるので、必ずしもその存在を否定することはできないと思います。
まぁ、クズなんですけどね(笑)

ただ、そのクズ男・伊藤も、振り回したはずの女性たちがどんどん自分から卒業していくのを見て、虚しさを感じていると思われる描写もありました。ラストシーンでは…

伊藤も、自分でリングに上がって戦う日が来ると良いですね。
そんなことを考えながら、この映画を反面教師にして、観ていた自分自身も色んなことから逃げずに頑張ろうと思いました。


というわけで、伊藤くん A to Eの評価は…

音楽★★★☆☆
物語★★★★☆
脚本★★★★☆
演出★★★☆☆
感情★★★☆☆

総合評価3.4

公式HP:伊藤くんA to E

トップ画像:(C)「伊藤くん A to E」製作委員会

鑑賞記録

劇場

TOHOシネマズ上野
スクリーン6(ビスタサイズ)
上映回:2018年1月13日(土)10時05分~

本編前予告作品一覧(上映順)

(1)いぬやしき

(2)名探偵コナン ゼロの執行人

(3)ちはやふる -結び-

(4)坂道のアポロン

(5)となりの怪物くん

(6)リバーズ・エッジ

(7)今夜、ロマンス劇場で

(8)羊の木

(9)不能犯

(10)CINEMA FIGHTERS

(11)パディントン2

客層

20代 2割
30代 4割
40代 3割
50代 1割
男女比 8:2




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